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当社の環境活動について

2016.12.16


 2002年2月、当社は環境方針を定めて、ISO14001の認証を取得し、社内規定に則った環境活動を始めました。以来、2016年12月まで、約15年にわたって、社内の環境側面を設定し、その改善に取り組んできました。その間、社内の活動だけでなく、出版業の特長を活かして環境絵本を出版し、出版した単行本6冊を通じて、環境改善活動を社外へと進展させました。その中には、坪田愛華さん著『地球の秘密』という世界11カ国語に翻訳出版された企画も含まれています。

 もともと出版業は環境負荷の大きくない業種です。そういうなかで、当社があらゆる認証の中で、ISO14000を優先したのには理由がありました。

 さかのぼること2000年に日本で初めての「社史のISO9001」の認証を取得すべく活動を始めました。しかし、当社のメインビジネスをISO化しようとして、社員と編集技術の共有と仕組み化への考え方に違いがあり、その溝が埋められなかったことから、活動開始1年後に、断念せざるを得ませんでした。

 属人的な技術へのこだわりが強いベテラン社員達に、どのようにして、ISOの認証にあった仕事をしてもらえばよいのか。考え抜いた結果、ISO14001の認証取得へと舵を切りました。環境負荷の軽減については理解を得やすく、業務のマニュアル化も計りやすいと考えたからです。案の定、環境ISOは全社員の賛同が得られ、すんなりと取得することができ、その後、管理責任者と副管理責任者を1年ごとの社員持ち回りとして、社内への浸透を図ってゆきました。

 そして、さらに認証のハードルが高いISO27001(情報セキュリティマネジメントシステム)に取り組みだした2007年にはすっかり我々の業務の中に、ISO14001の認証業務が定着しており、思っていたよりもスムーズに2つ目の認証をいただくことができました。

 そして、いよいよ積年の思いが募るISO9001に再チャレンジをしたのが、2011年の秋。すでにISOの考え方が身についていたので、2000年時に比して、あっけないほどに早く品質マネジメントシステムの認証取得ができました。

 この3つのISOを同時に運営し、それに東京都の指導によるBCP(事業継続計画)も導入した当社では業務の平準化が進みました。社員皆さんのご理解とご協力に、心より感謝いたします。

 それから4年をへた2016年、統合が進むISO活動と、デジタル化が進むメディアの方向性、そして当社の環境改善活動がコピーや消費電力の量に偏っていることをかんがみ、私たちは、ここでISO14001の認証を返上することとしました。

 すでに環境を意識しながら、業務を進めてゆく考え方は私たちに定着し、ISO認証の力を借りずとも、この環境理念の考え方を維持し続けていきます。そのため、毎月の経営会議で環境改善活動のテーマはとりあげてゆくこととします。

 いままで多くの社員と社外の方々のご理解とご協力をいただきながら、運営を続けてきたISO14001は、私たちに大きな一歩を提供してくれました。あの真新しい環境方針と向き合った当時の私たちの緊張感を忘れることなく、環境への感謝の気持を持ち続けてまいります。社内関係者の変わらぬご理解とご協力をお願いいたします。

2016年12月16日

株式会社出版文化社 代表取締役社長 浅田厚志